■目次

1 なぜ、いま先読みなのか?
2 自分だけでなく相手の時間価値も意識する
3 先読み力を鍛えるタイムマネジメント
4 3週間先のタイムマネジメント
5 リーダーに求められる力



4.3週間先のタイムマネジメント


■1週間へ広げ、さらに3週間先まで先読みする

 1日のタイムマネジメントを、1週間続けてみると、それまで気づかなかったことが見えてきます。行った仕事のつながりが見えてきて、「どの仕事に、どの程度の時間をかけているか」を把握することが可能になります。
 1週間の予定と実績を比較すれば「時間対効果」を知ることができます。時間価値を意識することで、先読み力を鍛えることができます。
 ですが、1週間のタイムマネジメントでも週をまたがる仕事をカバーできません。
 そこで、3週間先を読むタイムマネジメントをします。
 1週間以上先を読むのであれば、3週間ではなく2週間、もしくは4週間でいいのではないか、と思われるかも知れません。3週間を先読みするスケジュールを立てる理由は、認知→タスク化→実行の3つのステップが踏みやすいからです。これにより、プロアクティブに行動することができます。(本書の序章、「「認知→タスク化→実行」の3ステップで」を参照)
 例えば、ハードルを飛ぶことを想像してください。あなたはまず走り出します。するとハードルが見えてきます。これが第1段階の「認知」。さらにハードルが近づいてくると飛ぶという意識が生まれます。飛ぶという行為を予定として意識すること、これが「タスク化」。そしていよいよ実際に飛ぶというアクションを起こす。これが「実行」です。
 この認知→タスク化→実行の3ステップを踏むためにも3週間が最も効果的です。
 このため2週間でも4週間でもなく、3週間先読みしたタイムマネジメントをおすすめします。

 そして、先読みしながら、スケジュールを書き込み、やるべきことを浮かび上がらせて予定を書き込みます。さらに実績をきっちり記入し、「なぜ&どうすれば」「プロアクティブかリアクティブか」で分析していきます。

 
 ※詳細をご覧になりたい場合はこちらの3週間の本書のページの図からダウンロードしてください。



■3週間スケジュールでプロアクティブ・チームマネジメントを実現する

 プロアクティブ・チームマネジメントとは、タスクの進行状況をいかにうまくコントロールして、いかにタスクを完了に導くか、ということです。その鍵になるのも、タスクに対して予定と実績で管理し、ズレが生じたときに必要になる「なぜ&どうすれば」をチームで共有していくという手法です。
 例えば、1週間の予定と実績を「なぜ&どうすれば」という視点で評価したものを、出席したメンバー全員に発表してもらいます。このプロセスを通して、プロジェクトを予定通りに成功へと導くためのタスク管理を適切にマネジメントすることができ、チームをプロアクティブ・チームへと成長させることができます。さらに、メンバーの成長をサポートすることもできます。
 また、3週間スケジュール表を埋めることにより、メンバーはプロジェクトマネージャーの視点でプロジェクト全体を見渡すことができます。多くのメンバーはそれまで認知していなかったことが認知できるようになり、言われたタスクを実施するという指示待ちのリアクティブな姿勢から、スケジュールを見ながら自ら計画する、というプロアクティブな姿勢に変わっていくことになります。


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