■目次

1 なぜ、いま先読みなのか?
2 自分だけでなく相手の時間価値も意識する
3 先読み力を鍛えるタイムマネジメント
4 3週間先のタイムマネジメント
5 リーダーに求められる力




3.先読み力を鍛えるタイムマネジメント



■先読みして予定を立てる

1.毎朝、その日1日の分かっているスケジュールを左側に記載する

 1日のスタートは主なスケジュールを書き込み、やるべき仕事を先読みすることからはじめます。


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 例えば、1時間の予定のミーティングには、出席する時間に加えてアジェンダ(議題)・資料の確認、発言内容を考えるのに30分、議事録をまとめて送付するのに30分とすると、実は2時間必要になるということが分かります。
このように考えていけば、ミーティングの前後にやるべき仕事と時間が簡単にイメージできますので、これらをもとにスケジュールを埋めていきます。
 まず、午前中は可能な限り、90分の枠で集中して行なう仕事を入れます。
午後一番は、できるだけ考えたり集中したりする仕事は入れないようにします。昼食後に集中力が求められるような仕事は難しいためです。
 また、予備時間は、なるべく午後に入れます。1日最低でも1時間、可能であれば2時間程度は作っておくとよいでしょう。リーダーであれば、メンバーの報告・連絡・相談(いわゆるホウレンソウ)の時間、突発的な問題に対応する余力を残しておく必要があります。
 メールを読む時間は、1日3回に決めてスケジュールに入れます。こうすることで限られた時間で集中して処理できるようになります。
 これらのことを意識してスケジュールを先読みし、やるべき仕事と時間を予定として書き込んでいきましょう。


2.右側に実績を記載する

 実績を記録することは非常に重要です。
 実績は、あなたの投入した時間に対しての仕事の成果(アウトプット)なので、きっちり把握することが大切です。これがプロアクティブ・タイムマネジメントを実践する第一歩です。




 実績の記入は、はじめのうちは30分、60分単位で行うようにします。1日2〜3回(昼食前、午後、帰る前など)に分けて書くのがよいでしょう。そうしないと、いざ書こうとする時には何をやったか忘れてしまいます。
 実績を書くことで、あなたの仕事の成果に対する認識が高まりますので、毎日きっちり書く「くせ」をつけましょう。


■予定と実績の比較は「なぜ(Why)」&「どうすれば(How)」

 1日の予定と実績がそろったら、次はそれらを比較してタイムマネジメントがきっちりできているかをチェックします。
このとき、予定と実績を分析するために2色で色分けしていきます。


※タイムマネジメント用フォーマットは、 こちらからダウンロード可能


 まず、予定していたのに先のばしにした仕事に対して青で印をつけます。それから、予定せずに実行した仕事に対しては赤で印をつけます
 この色分けした仕事を分析することが、タイムマネジメントの精度を上げるうえで非常に大切になってきます。


1.先のばしにした仕事

多くの場合、「重要だが緊急ではない」仕事は先のばしにしてしまいがちですが、これは優先順位を見誤ったリアクティブな行動です。(本書の2章、「仕事の優先順位は四つの箱で考える」を参照)
緊急に飛び込んでくる仕事を減らし、その代わりに緊急ではない重要な仕事をプロアクティブに実行することにこそ、プロアクティブ・タイムマネジメントのメリットがあります。


2.予定せずに実行した仕事

予定せずに実行した仕事は2つに分けられます。
1つは、予定していたけれども「予定していた時間内に終わらなかった仕事」で、もう1つは、そもそも予定すらしていなかった(できなかった)「想定外の仕事」です。これらについても分析することにより、プロアクティブに仕事を進めることができるようになります。


◇時間内に終わらなかった仕事

図を見ていただくと、予定では1時間でできるはずだった「ABCプロジェクト課題検討ミーティングの資料作成」が、実績では10時から12時までの2時間かかってしまいます。
これは資料を作成する時間を30分少なく見積もっていたということですので、前向きに、「なぜ、そうなったのか?」を考えて評価することが大切です。
その時に「Why・・・なぜできなかったのか?」「How・・・どうすればできたか?」を突き詰めて考えます。
この場合であれば、「なぜ・・・取りまとめる元資料が思っていたよりも多かったから」と、「どうすれば・・・事前に元資料にさっとでも目を通しておき、ボリュームを把握しておく」というように評価できます。
「なぜできなかったか」という理由や原因と、次に「どうすればよいか」という手段や対策が分かればプロアクティブな視点で見ることができ、予定したり行動に落とし込むときに役立ちます。


◇想定外の仕事

こちらも図を見ていただくと、予備時間に「関連会社に対する支払いの社内処理フォロー」を行っています。
実はこれは先週からずっと議論されていて、社内の関連部署からどうなったのかという催促のメールをもらっていて、さらに電話がかかってきたというものです。
先週から議論されていたのですから、相手から催促される前にスケジュール化できたかも知れません。
この場合は、「なぜ・・・相手とスケジュールが同意されていなかった」と、「どうすれば・・・いつまでに何をするか相手と合意する」と評価することができます。


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