『「先読み力」で人を動かす』のダイジェスト版をご用意しました。

 ぜひ、先読み力を鍛えて、無駄なトラブルに巻き込まれず、実現したいことを短時間に実現させてください。そして、時間の余裕を生み出し、人生を充実させてください。
 あなたが関わるとなぜか物事がうまくいくように、思い通りに物事を進める人になってください。そして、成功や成長、人生の充実につなげてください。

■目次

1 なぜ、いま先読みなのか?
2 自分だけでなく相手の時間価値も意識する
3 先読み力を鍛えるタイムマネジメント
4 3週間先のタイムマネジメント
5 リーダーに求められる力



1.なぜ、いま先読み力なのか?


■先読み力とは?

 「なぜあの人は、あんなに要領がいいんだろう?」
 あなたの周りの、なぜか物事をうまく進める人を見て、そう思ったことはありませんか?特別な苦労をしていたり、大変な努力をしている訳ではないのに、なぜかその人がかかわると物事がうまくいく。なぜだろう? 要領がいい人たちには共通点があります。

 それは「先読み力」です。

 仕事ができない人は、自分や他人が起こしたトラブルに巻き込まれ、後手で対応してしまうために一生懸命働いているのです。新たな成果を上げているわけでもないのに、働いた気になってしまっているのです。
 一方、仕事ができる人は、トラブルを起こさないように、前もって起こりうる問題を予測する「先読み力」があるのです。
 そのことに気づいてから、「先読み力」を手に入れるためにはどうすればよいかを考えました。先読みというのは、未来に対して仮説(予定)を立てることです。そして仮説に対して実行後の結果(実績)を検証すること、つまりタイムマネジメントによって、先読み力を磨くことができます。

 「先読み力」とは起こりうる出来事(問題)を推測・発見する力のことです。

 これは、できる人がもっている共通したスキルです。
 先読み力を身につければ問題そのものの発生を防ぐことができ、問題解決する必要がなくなります。つまり、「先読み力」とは問題解決以前のスキルなのです。




■先読み力と「プロアクティブ」という言葉

 「先読み力」を養うには、仮説を検証するプロセスが必要です。
 仮説が正しければ、成長したことになります。反対に、その仮説どおりやったにもかかわらずうまくいかないのであれば、検証後にまた新たな仮説を立てます。この場合も、仮説が正しくないということを体感したわけですから、このプロセスからも成長したことになります。
 仮説が正しくても間違っていても成長する、つまり成長を加速できます。
 この起こりうる出来事(問題)を推測・発見する力を「先読み力」、そして、それらに対し、先手を打つ1歩先の行動を「プロアクティブ」と定義します。
 プロアクティブという単語はproactiveと綴ります。その対立語がリアクティブという単語で、reactiveと綴ります。
英語には、漢字の「へん」と「つくり」のように、接頭語というものがあります。それぞれ分解してみると次のようになります。

 proactive → pro - active
 reactive → re - active

 これらを分解したものにはそれぞれ意味があります。"pro"の意味に注目してみると、proという接頭語には「先へ、一歩先に」という意味があり、一方、"re"には「後ろへ、一歩後で」を意味します。activeはご存知のとおり、「行動的、行動」という意味になります。
 "proactive"は「積極的に」や「一歩先の行動」、"reactive"は「受動的に」や「一歩後の行動」という解釈をすることができます。
 つまり、プロアクティブかリアクティブかどうかで「歩み」に差が出るのです。この差は1歩ではありません。1歩先と1歩後だから2歩差が出るのです。
 何かが起こる前に、先読み力を駆使し、プロアクティブに行動することが大切です。これにより、特別な苦労をしたり、大変な努力をしたりしている訳ではないのに、物事がうまく運べる要領のよい人になれるのです。




◇3つのメリットで充実した人生を

1.自分のために投資する時間を確保できる
 プロアクティブに働くことで、トラブルに巻き込まれることもなく、時間の余裕やゆとりを作り出すことができます。そして生まれた時間で、与えられた仕事だけではなく、勉強する時間、自分に投資する時間を確保できます。

2.目標を短期間で達成できる
 問題を先読みして、プロアクティブに行動することで、事前に不要なトラブルを回避できます。さらには、あなたの周りの関係者を巻き込みリードすることができ、目標を達成する確率が飛躍的に高められます。

3.早いスピードで成長できる
 指示されたことをただやるのではなく、余分な時間をかけてでも、自分の意見を先にまとめ(仮説)、上司やリーダーの意見とぶつけます(結果)。そして、修正されれば(検証)、上司やリーダーの考え方、判断基準などを知ることができます。
 このようにして、自分の成長に必要なものを予測し、準備し行動することで、成長の機会を早く得ることができます。


次へ 「2.自分だけでなく相手の時間価値も意識する


ブログトップへ